仮面ライダーガッチャードとごはんの話


○まえがき


「フード理論」という考え方がある。
福田里香氏という料理研究家は物語の中で食べ物の持つ役割を、「フード理論」と呼び分析をしている。
簡単に言えば、食べ物を扱う描写などで、キャラクターの持つイメージや置かれた状況を表現することができる、という考え方である。
詳しいことはぜひ氏の著書である『物語をおいしく読み解くフード理論とステレオタイプ50』を読んでもらいたい。
この「フード理論」だが、三原則が存在する。

①善人は、フードを美味しそうに食べる。
②正体不明は、フードを食べない。
③悪人は、フードを粗末に扱う。

以上三点をまとめ、「フード三原則」と呼ばれている。

仮面ライダーガッチャードは、この考え方が、気持ちよく当てはまる作品であると私は考えている。
ステレオタイプ(この場ではみんながある程度同じように想像するもの、のような意味)を押さえつつ、物語を進めるなかである一定のルールが存在し、そのルールも視聴者になんとなく伝わりやすい。
これは仮面ライダーガッチャードが好きなオタクで、物語の食べ物描写が好きなオタクが、あまりにも好きな食べ物描写が多いので語りたくなってしまった、そんな長文である。

前提として、私は別に心理学や物語に関する学問の専門家ではない。
読み解き方になにか違和感を感じても、私とは違う解釈をした、というだけで安心してもらいたい。
また仮面ライダーという作品自体、一年以上かけて、撮影をしながら作品を組み立てていく作品である。
設定が途中で変わることはよくあることなので、ここにおける読み解きも、全て31話視聴時点のものである。
これからの齟齬については仕方がない。
一応、物語上でのことだけを語る上で、公式HPでの制作陣の発言、東映特撮ファンクラブ(TTFC)で視聴可能なオーディオコメンタリーでの発言から得られる情報は極力省いている。
特にTTFCは有料コンテンツでもあるため、裏話等が気になる方はぜひ、自身の目で確かめてほしい。

書いている私自身の趣味嗜好が大いに影響している文章になる。
何度も書くが、「仮面ライダーガッチャードが毎週楽しくて仕方ない。キャラクターたちがごはんを食べてる時の描写が特に最高だ!そのシーンが語っている情報量がすごい!」と興奮したオタクの文章だと思って読んでいただきたい。

ここから先、仮面ライダーガッチャードの31話までのネタバレが出てくるので、避けている方はその点も注意してほしい。

 

○フード三原則をガッチャードにあてはめてみる


まずは前書きであげた、「フード三原則」をあてはめてみたい。
分かりやすいのは「③悪人は、フードを粗末に扱う。」ではないだろうか。
仮面ライダーガッチャード」は未就学児童も見る番組である。
そもそも食育の観点から、食べ物を粗末に扱う描写が少ない。
「ガッチャード」で言えば、19話に登場するマルガムだ。
グリオンが作り出した悪意の塊であるそれは、人形から人の姿を得た瞬間から手を使わずに肉を貪る。
その後、マルガムの姿を得た後、宝太郎が作った「シュー肉まん」を一口食べ、放り投げる。
マルガムが敵=悪人であることは、こうした食べ物のシーンがなくても視聴者には分かっているのだが、この時点で他に誰も(グリオンや冥黒の三姉妹ですらも)このような食べ物の扱いをしていない。
とても分かりやすい、悪人としての描写である。
ただし全体的にこのシーンはコミカルな場面なので、悪人の描写の意図は低いと考えられる。

むしろ、③の原則の逆用し、悪人ではないことを示したキャラクターの場面のほうがおもしろい。
6話冒頭、スパナがキッチンいちのせに現れ、宝太郎の手料理を食べるシーンである。
口では「恐ろしくくまずい。食えたもんじゃない。」と言いつつ、がつがつと料理を食べきる。
食べ終わった後の皿はきれいで、ナイフとフォークも揃えてある。
食べ物を粗末に扱わず、残さないだけで、彼は善人であると、視聴者に印象付けている。
もちろん番組の性質上、食育という観点からメインキャラクターが食べ物を粗末にするような描写は極力控えたいだろう。
しかし「食えたもんじゃない」と言ったあと、宝太郎の料理を残したまま、キッチンで自分の料理を作り、宝太郎たちに振る舞う、という流れも物語上可能ではあるのだ。
6話時点のスパナは、宝太郎の仲間とは言いがたいし、ミステリアスな部分を強調するなら「フード三原則」の②「正体不明は、フードを食べない」にもあるように、ほとんど食事をしないという手もあった。
視聴者からすると疑似ライダーとして変身をしマルガムと戦う、ヒーローサイドの人間であり、スパナが宝太郎の料理を完食せずとも、スパナを悪人だとは思わない。
しかし、あえてここでスパナに料理を完食をさせることで、彼の善性が明確になり、かつ『宝太郎の料理を食べた人』になることができる。
『宝太郎の料理を食べた人』については後に改めて語るが、6話全体を通してスパナがどういう人間なのかを描写しようとしたことが、食事シーンからも読み取れる。
実際、スパナが宝太郎の料理をどう思ったかについては、実はTTFC限定配信のオーディオコメンタリーにて、スパナ役の藤林さんが語っている。
これもぜひ、視聴して確認していただきたい。

さてものすごく簡単ではあるが、「フード三原則」を「ガッチャード」に当てはめてみた。
こういう感じのことをこれから語っていきたい。
ここからは、「フード三原則」を踏まえたり、飛び越えたりしながら、食べ物のシーンについて気が済むまで語っていきたいと思う。

次は思わせ振りに強調した『宝太郎の料理を食べた人』に関して、スポットを当てて、語っていきたい。


○宝太郎スペシャルはいつ、誰が食べたか


仮面ライダーガッチャード」の主人公、一ノ瀬宝太郎は家が定食屋をやっており、彼の物語はキッチンで自分のお弁当を作っているところから始まる。
宝太郎の料理はけして上手とは言えず、奇抜な発想で食材を掛け合わせ、食べる人が素直に美味しいと言うような出来映えではない。
この設定は料理と錬金術の腕前をイコールとして、宝太郎は突拍子もないアイディアの持ち主で、かつチャレンジングな性格ではあるが、その腕はまだ未熟であることが描かれているのだろう。
奇抜な料理を作る分、宝太郎の料理シーンでは、彼が食べ物で遊んでいる(粗末にしている)ように見えないように、丁寧な描写がなされていると思う。
宝太郎は料理を作る立場であるゆえ、自身がご飯を食べているシーンは少ない。
そこで、宝太郎に関しては、彼が振る舞う宝太郎スペシャルにスポットを当てて考えていきたい。

作中、宝太郎スペシャルが最初に振る舞われようとしたのは誰か。
なんとホッパー1である。
1話でホッパー1と出会ったばかりの宝太郎は、自分のお弁当の残りの「きゅうりハンバーグゆず胡椒マヨ」を食べないかと尋ねているシーンがある。
実際、ホッパー1が料理を口にすることはないのだが、振る舞おうとしたことで、すでに大きな意味を果たしていると私は考える。
それは、宝太郎スペシャルを食べる、もしくは食べようとしている者は、宝太郎の仲間であると定められているように見えるからだ。
全てのケミーと友達になる、という大きなガッチャを持つ宝太郎が、作中最初に仲間になろうとするのが、仮面ライダーに変身する際にも不可欠な相棒であるホッパー1であることは、とても自然な流れだろう。

仲間になったので宝太郎スペシャルを食べた、という流れがより分かりやすい人物がいる。
2号ライダーのりんねだ。
二人が打ち解けるきっかけとも言える4話では、冒頭で創作料理を振る舞うからと家に誘う宝太郎に対して、りんねは呆れたような表情を見せるだけだった。
しかし、同じ4話のラストでは、ミナトから場所を聞き、りんねは自発的にキッチンいちのせを訪れている。
ここで宝太郎スペシャルを食べることになる。
互いに認めあった仲間になったので、彼女は宝太郎の料理を口にする。
『宝太郎の料理を食べた人』になるのだ。
この時振る舞われるのが「ニコニコにくにくオムライス九堂スペシャル」である。
余談だが、6話でスパナが紫色のオムライスをかわいい顔付きのうずらの卵をそえて出したのは、こことの対比になっている。
宝太郎スペシャルが緑色で手羽元、スパナは紫色でうずら卵。
出来映えの見え方の差はそれぞれの設定通りなので、見比べていただきたい。
脱線してしまったが、りんねに話を戻そう。
りんねは2号ライダーであり、宝太郎の相棒でもある。
作中で宝太郎スペシャルを最も多く食べる機会があるのも、りんねである。(31話時点)
どれも味の感想は微妙であるらしいが、彼女はけして宝太郎の料理を食べない、という選択をしない。
17話では、錆丸が食べられないといった空気を出したものを、自分が食べようとするほどである。
(実はこのシーンについては、りんねの設定があるのだが、TTFCのオーディオコメンタリーで語られているので確認してみてほしい。)
宝太郎も19話では思い悩むりんねに自分の手料理を食べないか、と提案をしている。
二人がお互いのことを認め、受け入れていることが、食事にも現れている。

次に宝太郎スペシャルを口にするのは、6話での加治木とスパナである。
この二人は少し特殊で、加治木においては物語が始まった時点ですでに宝太郎と友達である。
スピンオフドラマ「仮面ライダーガッチャードVS仮面ライダーレジェンド」での様子からも、定期的に宝太郎の料理を食べている雰囲気がある。
加治木の場合は、もうすでに仲間であると捉えるべきだろう。
逆にスパナについては、この時点ではまだ宝太郎を仮面ライダーとして認めておらず、その後も一貫して仲間ではないと発言している。
6話の食事はあくまでも、スパナが宝太郎との力量比べをした、という描写がメインであると考えるべきであろう。
ただし、前項でも触れた通り、スパナの善人性や今後仲間になる可能性の示唆としては、十分に宝太郎スペシャルは機能している。

メインキャラクターの中で、案外と宝太郎スペシャルを食べることが遅かったのは、蓮華と錆丸の二人である。
この二人は宝太郎・りんねとともに同じテーブルでジュースを飲んだり(7話)、りんねと蓮華がカフェでお茶をしようとしたりする描写(7・8話)は存在する。
しかし、明確に宝太郎の料理を食べる機会は、15話のクリスマスパーティーまでは存在しない。
7・8話はサボニードル回なのだが、この時点で蓮華と錆丸はまだ宝太郎の考えに共感するまでは至っておらず、ケミーに対してドライな考え方を見せている。
宝太郎とこの二人との距離が縮まり、ケミーとの接し方に共通点が見えたのが、12・13話のユーフォーエックス回である。
まず、錆丸がユーフォーエックスに特別な想いがあることが明かされ、宝太郎との心の距離が近くなる。
その次に、相棒である錆丸の命の危機を受け、蓮華もユーフォーエックスに錆丸の気持ちを届けようとする作戦に同意する。
宝太郎の考え方を認めたからこそ、「サビーの思いは私が代わりに伝えたる。」という発言が出てくのだ。
そうした大きな困難を経て、ようやく二人は『宝太郎の料理を食べる人』になるチャンスがやってくる。
実際は、パーティーの賑やかな雰囲気の中で話が進むので、料理を口にしているシーンは存在せず、明確に口にしているのは17話である。
けして敵対関係ではなく、比較的に味方として描写されているキャラクターであっても、なかなか宝太郎の料理を口にすることはできない。

メタな見方をすれば、そもそも決め打ちして出すことしかできないものだとも考えられる。
奇抜な手料理は用意をするのが大変であることが予想されるので、ここぞという時にこの人という人にしか食べさせることができないのかもしれない。

ここまで宝太郎の料理を食べた人について語ってきたが、いつまでたっても宝太郎の料理を食べない人もいる。
宝太郎たちの先生、ミナトである。
先生という立場から、キッチンいちのせに気軽に訪れさせることが難しいのはわかる。
17話から27話までの間、宝太郎たちとは立場を違えていたため食べる機会がなかったこともわかっている。
しかし、31話時点でまだ宝太郎からミナトへ、宝太郎スペシャルを振る舞いたい、というような発言すらない。
現時点、私個人としては、先生はあくまでも先生であり、大人として見守り導く存在であるゆえ、宝太郎たちの仲間という立場ではいので、宝太郎スペシャルは食べない、というスタンスの描写があるのではと考えている。
これは視聴者からすればほぼ仲間であるスパナや鏡花にも当てはまるスタンスだから、との考えだ。
本当にただのファンとしては、ミナト先生にも宝太郎の手料理を食べてほしいと思っている。

さて、この項では宝太郎の料理に焦点を当てて語ってきた。
『宝太郎の料理を食べた人』は、宝太郎の仲間として視聴者にも映っているだろう。
どの料理も効果的に登場していると思っている。
今後、誰が宝太郎の料理を食べるのか、気になるところである。


○スパナと鏡花の食事


さて、次は作中で料理を作るシーンがあるメインキャラクターの一人、スパナを主軸に語っていきたい。
スパナといえば、彼の師匠である鏡花との食事シーンだ。
その回数は31話時点で3回。
実はりんねが宝太郎スペシャルを口にした回数と同じである。(りんねが宝太郎の料理を食べる機会があったのは4回。1回の誤差はクリスマスパーティーである)
脚本では食事シーンの予定ではなかったところが、食事シーンに変わっていたりもするので、同列に語ってはならないが、この師弟の仲の良さ、関係の良好さを表す描写となっているだろう。

特に17話での食事シーンは、スパナが料理を作り、鏡花がそれを食べる。
鏡花は満面の笑みでスパナが作った料理を食べ、美味しいと感想を言い、スパナもそれを満足そうに笑顔を浮かべて見ている。
「フード三原則」に則って言えば、ご飯を美味しそうに食べれば善人であるとされる。
もっとも、そのようなことを知らなくても、あの場面は食事シーン以外でのやり取りからも鏡花の善性は表現されていただろう。
この時点では16話から登場し、スパナの師匠として過去のことも知っていることを匂わされている鏡花は、物語においてまだ未知のキャラクターだ。
視聴者としては、この人はどういう人なのか、と探りながら見ている。
そこで上記の食事シーンを含める場面が入ってくる。
鏡花がどういう人間なのかを視聴者に示す場面において、食事シーンも大きな役割を果たしていたと考えている。

17話の食事で二人が楽しそうしていたことが、21話のラストにもきいてくる。
実際に料理を食べたシーンではないが、鏡花がスパナに料理を作ってほしいと頼む台詞がある。
一度は完全に道を違えることを選択したスパナに対し、鏡花はソファの隣に座り、一緒に食事をしようと提案をする。
これは、鏡花が改めて『スパナの料理を食べた人』になろうとしているのだ。
宝太郎の料理がそうであるように、スパナの料理を食べる人もまた、作った者の理解者であるという表現に取れるだろう。

また、スパナと鏡花の食事に関して言えば、26話でのフレンチを食べているシーンもあげたい。
物語的には、のんきにフレンチを食べに行っている場合ではない。
メタな視点にはなるが、鏡花の「まずいな。」に対しスパナが「お口に合いませんでしたか?」声をかける、この掛け合いをさせたかったから、食事をするシーンになったのではないかと考えている。
この時のスパナがわざわざ「評判のフレンチ」と言っていることも合間って、思わずくすりと笑えるシュールなシーンになっている。
ただし、このような掛け合いならば、鏡花のラボでご飯を食べているだけでも十分に成り立つはずである。
そうしなかった理由として、私は情報が多くなりすぎるからではないか、と妄想並みの考察をしている。
仮に鏡花のラボで食事を取っていたとしよう。
食べるものは、スパナの手料理になるだろう。
スパナの作ったものを食べ、鏡花が「まずいな」と言う。
そうすると、あの料理が上手いスパナが、鏡花にまずいと言わせるほどの失敗をした可能性が生まれてしまう。
それは状況に対し、スパナが大きく動揺している、という風にも見えるだろう。
宝太郎の疲弊がすさまじいことが描写されているため、この二人には落ちついて食事を取れる余裕があると示す意図があったのかもしれない。

もっとも、宝太郎スペシャルのことを考えれば、スパナの手料理を準備するのも手間であるはずなので、省かれた可能性が高いのではないか、とも思っている。

スパナを語る上で、師匠との関係は今後も重要になってくるであろう。
次はどこで何を食べるのか、パクチーは盛られているのか、スパナの次の手料理はどれほど紫色なのかも、注目したい点である。

鏡花については、他の人との食事シーンも多いため、次の項で触れようと思う。


○今後の流れに関わりそうな食べ物の話


現状単発的ではあるが、食べ物にまつわる出来事で今後に繋がると思われるものがある。
特筆したい点は3つだ。

まずは、25話でのミナトの過去を振り返るシーンである。
錫屋が大きな夢をミナトと鏡花に語るシーンでは、中庭のような場所のベンチで、三人は昼食を食べている。
1話から登場するミナトの初の食事シーンでもあり、ミナトが食事をする人間であることがようやく示される。
「フード三原則」の②「正体不明は、フードを食べない」とあるが、ミナトが正体不明なものではなくなったと考えることができる。
実際、私自身、ミナトは名前も思わせぶりだし、(某錬金術師漫画の影響だが)人間じゃないかもしれない、と思っていたので、このシーンの存在によって、急にミナトの人間みを感じることができた。
ミナトは宝太郎たちアカデミーの生徒はもちろん、スパナとも食事を取るシーンはない。
そんな彼が唯一共に食事をし、かつ現在も生きている人が鏡花なのである。
これもあり、大人として仮面ライダーたちを導いていく立場の二人が、少し特別な関係性であることが想起される。
実際27話にて、鏡花の前でミナトはようやく己の感情を吐露することができた。
そんなミナトが次は誰と食事をするのか。
気になるところである。

次は鏡花とラケシスの食事について取り上げていきたい。
31話にて、二人の食事シーンが描かれた。
正確には、ローストビーフ丼を食べているのは鏡花だけであり、ラケシスは「私は何も食べませんわ。」と告げ、食事には手をつけていない。
冥黒の三姉妹が食事を取らない存在である、という設定が示されたシーンだ。
「フード三原則」で言えば、この時点でラケシスは②の正体不明者であり、③に反する悪人ではない存在になる。
ラケシスは箸でどんぶりの中身をつついたり、ほじくったりというような行為はしておらず、食べ物を粗末にしている描写はされていない。
悪人らしい振る舞いはしていないのである。
また、鏡花がここでラケシスと同じ食事を取ろうとしていることにもスポットを当てたい。
冥黒の三姉妹を化物と呼ぶスパナを除き、誰もが彼女たちをグリオンが作った存在であり人間かどうかは判別しきれないが、感情を持って接している。
ラケシスに自分と同じ食事を用意し「えっ食べないの?ダイエット中?」と声をかける鏡花は、彼女をとても人間らしく扱っていると、読み取ることができる。
ちなみに行くところがないから面倒を見てやり、武器を与え、と鏡花はスパナにしたことはほぼラケシスにもしているのだが、鏡花が二人きりで食事をしたのも現状スパナとラケシスだけである。
当初より因縁のある関係のスパナとラケシスだが、こんなところでも共通項が作られているのは非常に面白いと、個人的に思っている。

最後に、食事をしていない人について取り上げる。
仮面ライダーガッチャードにおいて、メインキャラクターで食事に関わっていないのは、アトロポス・クロトー・グリオン・九堂風雅の4人になった。
アトロポスとクロトーはラケシスの発言から、食事をしない身体であると示されたので、食事描写から遠いのもうなずける。
グリオンも悪役であり、正体不明な人間だったことから、食事描写をいれなかった意図もわからなくもない。
問題は九堂風雅である。
りんねの父である彼は1話以降25話まで生死不明であり、26話でまたすぐに物語から退場している。
食事をしている暇がない、と言えばそれまでなのだが、あまりにも風雅の存在が正体不明すぎて、不安になっているのも事実である。
例えば、りんねの過去回想で風雅と二人でなにか食事をしているシーンがあれば、現在の風雅の印象はまた違ったものだったろう。
りんねの過去回想でよく出てくる絵本を読んでいるシーンは、テーブルにろうそくが立っているケーキが置かれている。
おそらくりんねの誕生日ケーキと思われる。
それを食べている、もしくはそのケーキが切り分けられているシーンがあるだけで、食事を連想させられる。
しかし実際は、そのようなシーンはない。
まだこれから続いていく物語のなかで、風雅がどういう立ち位置になるのか、果たして彼は食事をすることがあるのか、頼むからりんねが悲しむようなラストにはならないでくれと思わずにはいられない。


○まとめという名のガッチャードめっちゃおもしろいという話


ここまで、自分なりにできるだけ丁寧に本編を見て、食事にまつわる妄想に近い考察を書いてきた。
甘い考察、妄想が入り交じった、拙い文章であったと思う。
ここまで読んでくださった方には、感謝しかない。

仮面ライダーガッチャード」は数年ぶりに毎週日曜日テレビの前に座り、興奮しながら30分を過ごし(実際は1時間半興奮しっぱなしであるのだが)、その日のうちにTTFCで何度も繰り返し見るくらいには、かなりはまっている。
おもしろいと思う理由はたくさんあるが、そのひとつは間違いなく、丁寧な食事に関する描写だろう。
宝太郎の実家が定食屋であることを活かすため、食事の描写が必然的に増やしたのだと思う。
それでも、誰が誰とどんなごはんを食べているのか、を大切にし、そこから関係性を視聴者に感じさせる描写は、どれも意識して描かれているものであると私は感じている。
これからどんな物語になっていくのか、純粋に楽しみで仕方ない。

こうなってほしい、こういうのが見たい、というオタクらしい妄想はたくさんあるが、食事シーンに関してだけ言えば、宝太郎が仲間だと思うもの全員が、キッチンいちのせに集まり、宝太郎スペシャルを食べるシーンがぜひ見たい。

 

 


余談であり細かすぎるので省いた話。
28話、スターシャイン星野の修行シーンでカップラーメンを食べているシーン。
彼の食器はきれいに空になっている。
他の修行者たちが食べているものを全てきれいに食べきった上で、足りないからラーメンを食べているのだろう。
スターシャイン星野は、ケミーがそばにいてもマルガム化しない、悪意のない人間である。
ただの調子のいい、怪しい人間なのだ。
そういう人は食事を粗末にはしないけれど、食べ方はちょっと独特なんだな、と思った。
キャストの味なのかもしれないが、ゲストキャラにも関わらず、こういうところまでガッチャードはご飯描写が丁寧すぎる。
やっぱり大好きだ。
ありがとうガッチャード。

 

 

ホロスタ1stACTようやく見た

なかなか見る勇気を持てなかった1stACTをよく見た。
結論として、最高だった。
手振りをなんとなく見て一緒にやったり、逆にじっと聞き入って見入ったり。
楽しい、本当に楽しい時間だった。
 
ひとまず、一人一人の感想だけ。
 
みやびくん
本当にかっこいい人だなと、見せつけられた。
『星の唄』という曲のチョイスがエモくないですか。
ラストで、くるりと背中を見せられると、その広さに頼もしさを感じた。
この背中が、ずっとホロスターズの一番前にいたのか、とエモいことを勝手に思った。
花咲みやびという存在がエモかった。
 
イヅルくん
声がバチバチにかっこいくて、動きがかわいくてしんどい。
『セカイはまだ始まってすらいない』のダンスは一緒に踊りたくなる。
あれだけ動いて、それでも安定した歌声が出せるのは、彼が長年歌い続けたからこそだろう。
弾き語りもいいけど、ダンスしてるところも最高だからやっぱり、イヅルくんは最高なんだよな。
 
アランさん
イケオジのかっこよさをこんなに見せつけられて、ありがとうございます。
『かつて天才だった俺たちへ』を歌うあなたは天才だ。
言いたいことはたくさんあるけれど、もう「アランさんカッケー!」に凝縮させることができると思う。
これよりもかっこいいラップが聞けるのが2ndACTかぁ。
おなかいっぱい。
 
律可ちゃん
もう歌っててくれてありがとう。
ロングトーンが最高なんだ。
ソロは言わずもがななんだけれど、誰かと一緒に歌ってても律可ちゃんが歌ってるってわかった時の多幸感たるや。
永遠と彼の歌を聴いていたい。
大きな箱で歌い上げてほしい。
でも、ここで歌っててくれてありがとう
 
3Dお披露目の時も思ったけれど、彼の頭の中にあるエンターテイメントのレベルが高すぎる。
でも夢の国を作った人は「頭の中で思い描いたことは実現できる」的なことを言っていた気がする。
あの時間が、アステルくんの思い描いたことがひとつ形になった瞬間だったらいいなと思う。
アステルくんが全部プロデュースしたライブとか見てみたいな。
ジャニーズだと、メンバーがライブの演出するとかよくあるし。
最後泣いてたよね?ね、泣いてたよね???
きみ、そういうところあるよね。
 
天真くん
エネルギーの爆発してる。
ビックバン起きてるで、絶対。
ソロ曲が『GO!!!』という選曲がそう感じさせるのかもしれない。
みんなに楽しんでほしい、という感情があふれ出していたからそう感じるのだろう。
長い手足を大きく動かしているのも最高。
見てて本当にかわいい。
ふわふわしてるのに、歌うとかっこいいからやっぱりずるいんだよな。
 
ロベルさん
全編ちゃんとアイドルで本当にビビる。困る。
ダンスは動きが大きくて元気でかわいくて好き。
歌声がアイドルすぎて好き。
『POP-TALK』ダンス難しそうで、それを踊れてるの本当に好き。
めっちゃ動いてるし。
やっぱり最推しのアイドルしてる姿は好きです。
好き、です。(限界)
 
シエンさん
全力でファンを狩猟していく()姿がまさに獣人の国のマフィア。
『BEGINNING』はもうこうやって欲しい、と思っていたものすべてが存在した。
ボスは本当に素敵なアイドル、エンターテイナー。
しっぽがふよふよしてるのかわいいから、一生ふよふよさせててほしい。
あなたが言葉足らずだとは思ったことがないのですが、最後の挨拶はありがとうございます。
 
オウガさん
動くとやっぱりかわいい。
オリジナル曲『Silent Night Requiem』をいい声いい歌最高なのだが、細かく見るとかわいい。
「オマエさんも孤独、俺も孤独」はお腹痛い。
全体的に動きがかわいい気がするのは、私だけだろうか。
低音はなんかもういろいろずるいのでもっと聞かせてください。
 
 
曲ごとの細かい感想はまた、いつか。

ホロスタ1stACTようやく見た

なかなか見る勇気を持てなかった1stACTをよく見た。
結論として、最高だった。
手振りをなんとなく見て一緒にやったり、逆にじっと聞き入って見入ったり。
楽しい、本当に楽しい時間だった。
 
ひとまず、一人一人の感想だけ。
 
みやびくん
本当にかっこいい人だなと、見せつけられた。
『星の唄』という曲のチョイスがエモくないですか。
ラストで、くるりと背中を見せられると、その広さに頼もしさを感じた。
この背中が、ずっとホロスターズの一番前にいたのか、とエモいことを勝手に思った。
花咲みやびという存在がエモかった。
 
イヅルくん
声がバチバチにかっこいくて、動きがかわいくてしんどい。
『セカイはまだ始まってすらいない』のダンスは一緒に踊りたくなる。
あれだけ動いて、それでも安定した歌声が出せるのは、彼が長年歌い続けたからこそだろう。
弾き語りもいいけど、ダンスしてるところも最高だからやっぱり、イヅルくんは最高なんだよな。
 
アランさん
イケオジのかっこよさをこんなに見せつけられて、ありがとうございます。
『かつて天才だった俺たちへ』を歌うあなたは天才だ。
言いたいことはたくさんあるけれど、もう「アランさんカッケー!」に凝縮させることができると思う。
これよりもかっこいいラップが聞けるのが2ndACTかぁ。
おなかいっぱい。
 
律可ちゃん
もう歌っててくれてありがとう。
ロングトーンが最高なんだ。
ソロは言わずもがななんだけれど、誰かと一緒に歌ってても律可ちゃんが歌ってるってわかった時の多幸感たるや。
永遠と彼の歌を聴いていたい。
大きな箱で歌い上げてほしい。
でも、ここで歌っててくれてありがとう
 
3Dお披露目の時も思ったけれど、彼の頭の中にあるエンターテイメントのレベルが高すぎる。
でも夢の国を作った人は「頭の中で思い描いたことは実現できる」的なことを言っていた気がする。
あの時間が、アステルくんの思い描いたことがひとつ形になった瞬間だったらいいなと思う。
アステルくんが全部プロデュースしたライブとか見てみたいな。
ジャニーズだと、メンバーがライブの演出するとかよくあるし。
最後泣いてたよね?ね、泣いてたよね???
きみ、そういうところあるよね。
 
天真くん
エネルギーの爆発してる。
ビックバン起きてるで、絶対。
ソロ曲が『GO!!!』という選曲がそう感じさせるのかもしれない。
みんなに楽しんでほしい、という感情があふれ出していたからそう感じるのだろう。
長い手足を大きく動かしているのも最高。
見てて本当にかわいい。
ふわふわしてるのに、歌うとかっこいいからやっぱりずるいんだよな。
 
ロベルさん
全編ちゃんとアイドルで本当にビビる。困る。
ダンスは動きが大きくて元気でかわいくて好き。
歌声がアイドルすぎて好き。
『POP-TALK』ダンス難しそうで、それを踊れてるの本当に好き。
めっちゃ動いてるし。
やっぱり最推しのアイドルしてる姿は好きです。
好き、です。(限界)
 
シエンさん
全力でファンを狩猟していく()姿がまさに獣人の国のマフィア。
『BEGINNING』はもうこうやって欲しい、と思っていたものすべてが存在した。
ボスは本当に素敵なアイドル、エンターテイナー。
しっぽがふよふよしてるのかわいいから、一生ふよふよさせててほしい。
あなたが言葉足らずだとは思ったことがないのですが、最後の挨拶はありがとうございます。
 
オウガさん
動くとやっぱりかわいい。
オリジナル曲『Silent Night Requiem』をいい声いい歌最高なのだが、細かく見るとかわいい。
「オマエさんも孤独、俺も孤独」はお腹痛い。
全体的に動きがかわいい気がするのは、私だけだろうか。
低音はなんかもういろいろずるいのでもっと聞かせてください。
 
 
曲ごとの細かい感想はまた、いつか。

Pentas好きすぎて歌詞全部舐めるように読んだ #Pentas聞いたよ

怒涛の勢いでホロスターズにハマった女。
元々文学部で小説の一言一句について論文で語りつくしたおかげか、はたまたただの妄想癖のおかげか。
好きな曲の歌詞を自己流に解釈することが大好きである。
今回はどうしてもホロスターズ内の初のユニットソング『Pentas』について語りたくなったので、キーボードをたたいている。
ちなみに、前回の記事では「ファンレター書きたい」と言っていたが、まだ勇気が足りず、誰にも書いていない。
 
 

楽曲ついては、公式のMVがある。

 
概要欄には歌詞も載っている。
手厚い、最高である。
 
楽曲を歌うメンバーは
律可
夕刻ロベル
影山シエン
荒咬オウガ
の5名。
ロスターズの大人組と呼ばれている。
 
 

作詞作曲の方について

 
作詞作曲はhalyosyさんという方。
あまりボカロPに詳しくない人間だが、めちゃくちゃ有名な楽曲をたくさん出していらっしゃる方だった。『Blessing』『Paintër』等ホロスターズの皆もカバーしている曲も彼の作詞作曲だったと知って感動した。
(ちなみに『Blessing』はホロライブの有志もカバーしている。あれも最高なので、未視聴の方はぜひ聞いてほしい。)
halyosyさんのツイートでは「星々の輝きを観測しよ」と書いていらっしゃった。
ロスターズのオリジナル楽曲。星々。あぁ、最高だなと思う。
 
音楽に詳しい人間であれ、この方が作る音楽の特徴とかいろいろ語られるのかもしれない。
しかし私はその点については全く詳しくないので、最高だと言うことしかできない。
圧倒的感謝しかない。
5人に素敵な楽曲を作ってくださってありがとうございます。
 
 

タイトルについて

 
タイトルについては、楽曲が発表された配信のコメントや、ホロライブIDのイオフィちゃんのリプもある。インドネシア語で「ステージ」という意味がある。
ペンタスはそもそもギリシャ語で「5」という意味があるらしい。五芒星の形をしている花にもその名がついている。その花は英語では「Star cluster(星団)」とも呼ばれる。
はい、もうすでに最高。
花言葉まで調べるととんでもない。「希望がかなう」「願い事」。
マジでとんでもない。
なんてホロスターズの曲にぴったりなタイトルなのか。
ファーストライブという「ステージ」を前に発表された楽曲。
「5」人が歌う星の形をした花。「星団」とも呼ばれる花。
この曲はひとつの彼らとファンの「希望がかなう」姿でもあり、これからの「願い事」へと繋がる想いもこめられている。
 
 
タイトルに含まれた意味がえげつない。
すべてが彼らへと集結されている。
タイトルだけで1000点の意味あいがある。
意味を調べるの大好き人間はっさくはここで死んだ。
 
 
 

歌詞について

ここからは私の妄想が炸裂していますので、あしからず。
ちなみに私は英語ができないので、英語歌詞の訳はグーグル翻訳と超意訳です。ごめんなさい。
 
書いていて気付いた。
あまりにも楽曲作りに詳しくないのでどこがAメロとかなにかとか分からない。
これは書き手の勉強不足。
 
 
 
この曲の歌詞は対比の構図が多い。
「炎天に咲く花冠」と「闇夜を裂く星団」
「低音」と「高音」
「強く抱きしめて」と「緩く確かめて」
「平穏」と「不穏」
「低温」と「高温」
 
そして「僕」と「君」
 
アランさんとオウガさんの低音ボイス、律可さんとロべさんとシエンさんの高音ボイス。
持ち前の歌声と歌詞が合わさって、対比が強く押しだされているように感じる。
この曲の中でも激しいギャップを味わうことができおもしろいのだが、普段の彼らの配信と比べるとまたその対比、ギャップが癖になる。
『Pentas』は大人っぽくて、セクシーで、官能的ですらある。
配信の姿とは全く違う。
歌詞の中で意図的に組み込まれた対比は、彼らの歌声や性格、普段の姿との対比も合わさって、深みを増す。
 
 
この曲は細かいところを読み取れば、何か事情がある二人の恋愛の歌のようにも感じられる。
セクシーな歌い手たちのボイス、星というキーワードが合わさると、SF要素のあるラブロマンスもののドラマが始まりそうな雰囲気もある。
個人的には、「永い未来に愛は無いさ」と律可くんが歌うあたりに、歌を歌うイケメンロボットと人間の少女とのラブロマンスを感じる。
「重力に見つかる迄強く抱きしめて」とか「膨らむ輪郭の果て緩く確かめて」とか、何かオトナな雰囲気も感じさせる。
結ばれることが難しい二人だが、誰にも見つからないようにこっそりと抱きしめあって、大きくなる感情の輪郭を感じ合う…素敵な情景が目に浮かびますはい。
そういう解釈は、個人的には大好きだが、あまりにも妄想がすぎる。
 
 
この曲は全体として、ロスターズとファンのことを歌っている曲として、読み解いていきたい。
 
 
 
「written in the stars」
このフレーズから始まり、このフレーズで終わる曲。
何度も繰り返され、高音や低音、様々なハーモニーで歌われる。
直訳は【星たちに書かれている】だ。
今回の全体の雰囲気に合わせるなら個人的には【星々で綴られている】と訳したい。
これは5人の星たちが綴っている歌である、という感じだろうか。エモ。
 
その星々が綴るものは「炎天に咲く花冠」のようであり「闇夜を裂く星団」のようであるらしい。
「花冠(かかん)」とは、複数の花びらからなる花の器官のことを指す。
つまり、どちらも小さなものの集まりなのだ。
厳しい太陽の下でも負けずに前を向き咲き、指先すら見えない闇の中で照らす。
太陽や月という大きなものではなく、あくまでも花びらの集まり、星々の集まりと表現する。
 
これは彼らが日々重ねている配信の数々であり、ファン一人一人のことなんじゃないかと思う。
何万人と言う数字になってしまえば、大きな塊になるけれど、そこには自分たち(星)をみてくれている一人一人がいる。
その一人一人が見ているからこそ、星々はで綴っていくことができる。
 
冒頭だけで大変エモい。
 
終盤になって、ストレートに「君が観て初めて僕は輝けるから」という歌われてしまうと、胸がギュンと締め付けられる。
思わず、見てるよおおおおおおおおおと叫びたくなる。
 
歌はずっと「僕」はずっと「君」に見られている立場として描かれていく。
 
 
「透き通るレンズの向こう側 今どんな顔してんだろう」
この配信を見てくれる人は楽しんでくれているのかな?と想像している姿が目に浮かぶ。
自分を写すカメラ越し、PCにはコメントが流れていく。
その向こうのファンに想いを馳せてくれているフレーズだ。
 
「覗いて覗いて」のフレーズ以降は、徐々に強気な男な一面をのぞかせてくる。
「狂った部位を戻して」については、望遠鏡の比喩から、もっと自分にピントを合わせてくれというニュアンスだろう。
奥の方まで僕を知って、常識なんて知らない、もっと自分だけを見て。
なんて迫られている。
自己顕示欲のような、独占欲のような。
配信者らしい、我が出る一面。
 
そして観測者である「君」は彼らを「目に捉えた」。
サビでは自分への感情を抱きしめて、確かめてくれと。
 
ガチ恋じゃないのに、ガチ恋にさせられそうな流れである。
さぁ惚れろ!と言っている。
惚れる。しんどい。
 
そんなしんどい時に低音でささやかれる。
俺も君も見てるよって。
ここで急に「俺」って言い出すのはずるい。
少女漫画で主人公の前でだけ口調が砕けるタイプかな?
 
 
囁きからの流れで、ラップパートではかなり「僕」が「君」を見ていることをアピールしてきている。
「空虚でクリアな視界の先 今こんな顔してるよ」なんてもう、まだまだ俺のことを見ろよ、と言われている以外の何ものでもない。
切り抜きやアーカイブ見て満足した?まだ見せてないところありますよ。もっとすごいですよ。
そう畳み掛けてくる。
 
畳みかけはここで終わりではない。
「解いて」からのパートでは、何かの終わりを予感させるようなエッセンスを持たせながら、それでも自分をもっと見てくれ、と言われてくる。
 
いつ、どんな形で、この幸せが終わるか分からない。
でも幸せな思い出はいつでも、ここにあって。
永遠の愛なんてないと分かっている。
終わるときは、ここで…
 
なぁんて、ちょっぴり哀しみが滲む、情緒たっぷりなことを言っておきながら、再びのサビ。
「COSMIC INFLATION」宇宙のインフレーション。
急にぶち上げてくる。
「その表情は世紀の大発見」
こっちをちょっと不安にさせて驚かせて、びっくりした?と無邪気に聞いてくるイタズラっ子の顔が浮かぶ。
(某黒背景サムネのお知らせに通じる匂いを感じた)
 
でもやっぱり、終わりがあることを忘れさせてくれないんですよ。
暑い太陽の下、5つの星たちは。
「燃え尽きるまで目を離さないで」と言っている。
 
 
曲の盛り上がりは最高潮。
感情の盛り上がりも最高潮。
 
そして私がこの歌の中で一番好きなフレーズ。
「宇宙で最も近くて遠い 愛の望遠鏡」
 
ネットという宇宙のように広い場所で、確かにこの5つの星を捉えた。
物理的な距離はとても遠いけれど、心は時にとても近い。
星たちが、自分たちを見てくれている存在を「愛の望遠鏡」と表現する。
愛が伝わっているのだと、感じさせてくれるこのフレーズが一番好きだ。
 
 
 
 
長くつらつらと語ってきたが、本当に最高にいい曲だということしか言えない。
簡単に永遠とか語らないズルい大人。
でもしっかり「君」を見て、愛を感じているよと伝えてくれている。
イラストやMVの演出も大変、オトナで色っぽい。
ぜひ、最近スタートした「スターズこれくしょん」と合わせて楽しんでいただきたい。
 
 
 
 
 
それでなんですが。
もう一つのユニット曲のMVはどこにあるんですか?
私が見つけられてないだけですか?
あの本当にどこに…?
 

ホロスターズへのファンレターが書きたくて

今年に入って唐突にホロスターズにハマった

本当は全員宛てにファンレターを書きたい。いやたぶん、私は近いうちに本当に手紙を書くだろう。これはその予行演習みたいなものである。

 

 

ロスターズとは、カバー株式会社が運営しているVTuberプロダクション「ホロライブプロダクション」の中にある男性VTuberグループ。

同じプロダクションでも、ホロライブという女性VTuberグループのほうは聞いたことがある、と言う人も多いのではないかと思う。

 

実際私自身、昨年まではホロライブ単体のヲタクだった。

ときのそらちゃん、大空スバルちゃん、星街すいせいちゃんを中心に、ホロライブのみんなをまんべんなく見るタイプのヲタクだったので、ホロスターズのことも知っていた。

ただし、白上フブキちゃんや夏色まつりちゃんとコラボして、おもしろいことになってるお兄さんたち、レベルの印象。

仮面ライダー好きだったし、オウガという名前の人がオーガのベルトを買ったツイートも知っていた。

どついたれ本舗の歌を歌ってた人たち。

まつりちゃんと3Dコラボしてた超上手い人。

フブちゃんとパスタの歌歌ってたイケおじ。

 

断片的な「好き」を感じながら、それでもホロスターズ全体を理解していたわけではなかった。

彼らが3Dになっていくことも、2021年12月にライブがあることも、友人Aちゃんのリツイート等で知りながら特に意識を向けてはいなかった。

 

 

それが2022年になって、まるで坂を転げ落ちるように、変わってしまった。

コロリと転がった「好き」という気持ちの雪玉が、どんどんと大きくなっていく。

自分でもびっくりするようなハマり方だった。

 

 

今認識しているきっかけ

 

きっかけは、夕刻ロベルさんの『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』実況配信だった。

ブレワイがめっちゃおもろいと聞き、どんなものか内容が気になった私は「ホロスターズの人」がやってるな、と思って何気なくクリックした。

本当に何気なく。

 

夕刻ロベルと言う人は、めちゃくちゃよくしゃべる人だった。

 

私はそもそも、ゼルダの伝説にも、夕刻ロベルという人にも詳しくない。

いきなり「おねショタの匂いがする」と言い出した時は、正直「何言ってんだwwwww」と思った。

ちょっと変な人で、ゲームに慣れている人というわけでもなさそうだが、とても楽しそうにゲームをする人だ。

私は基本的にゲーム全般に詳しくないので、すごい技術を見てもよく分からない。

ただ、キャラクターのセリフをうまく読み取って返したり、本人が楽しみながらゲームをしている姿は好きだ。

この人はいいなと、その時に思った。

ただしリアタイについては、配信時間が2時間を超えたあたりで止めた。

ホロライブのさくらみこちゃんと、戌神ころねちゃんの24時間配信「みっころね24」へと切り替えた。

みっころね24を見ながら確認したら、8時間ぶっ続けでやっていて、配信モンスターはここにもいたのかと思った。

 

それから、ロベルさんの過去の配信を少しずつ見るようになっていた。

 

あ、この人、どついたれ本舗の人か。

「しゃっくり」ってサムネイルなんだそりゃ。

24時間雑談配信したってマジか?

競馬同時視聴とか、男性Vっぽいなぁ。

 

切り抜きで見たことを、元動画へと飛んで見る。

それを繰り返した。

私のYouTubeくんはおすすめにロベルさんが出ている動画をピックアップし続けている。

本人の配信はもちろん、ホロプロ内外の人とのコラボ動画、切り抜き。

お腹がよじれるほどに笑った。

関西弁っぽいしゃべり方が心地よかった。

自分の下半身と話す企画なんて訳の分からない枠のサムネイルを見た時は、気持ちよく吹き出した。

私事でとても疲れていた私を、彼のしゃべりが少し癒してくれた。

 

 

ファンとしては無力

 

私は男性VTuberの集まりは、こんな感じなのか、とホロスターズを通して知った。

私はジャニーズのアイドルである「Kis-My-Ft2」が好きだったので、男の子だけで遊んでいる時のわちゃわちゃを見るのが好きではあったのだが。

プラットフォームの違いか、NGの少なさか。

とにかくホロスターズのほうが色んな意味で激しかった。

『AmongUs』のプレイでの殴り合いに笑い。

てぇてぇなかけあいに微笑みをこぼし。

「Pentas」が好みすぎて泣いて。

 

 

そして私は気が付けば、彼らが「ここにいたるまで」を考えていた。

ロスターズとしてデビューしてから、どんな苦労があったかを、私は知らない。

なんせハマってまだ3週間ほどだ。

 

ツイッターで検索をかけると、時々マイナスな発言がヒットした。

ホロライブとホロスターズとのコラボが少ないことに気が付いてはいたが、気になる人はやっぱり気になるんだよな…と、事実に思い当たり勝手に一人落ち込んだ。

たまたま見つけた、アルランディスさんと律可さんの配信にメッセージを送った。

本当にありがたいことに私が送ったメッセージを読んで下さった。

二人が返してくれたコメントは「フラットに楽しんでくれているのがいい」だった。

 

泣きたくなった。

今まで知らなくて本当にごめん、と思った。

 

ライブの配信チケットは気が付くのが遅すぎて結局買えなかった。

事情があって誰のメンバーシップにも入れない。

 

 

私は無力だ。

こうやってファンレターを書く事しかできない。

 

花咲みやびくんの優しい声が好きだということ。

奏手イヅルくんの男の子らしい歌声が好きだいうこと。

アルランディスさんのタフな精神が好きだということ。

律可さんのどこまでも伸びていく透き通った歌声が好きだということ。

アステルレダくんの意志の強い言葉が好きだということ。

岸堂天真くんのふわふわした言動が好きだということ。

夕刻ロベルさんのうるさいほどのおしゃべりが好きだということ。

影山シエンくんのヲタクの性癖を刺してくるのが好きだということ。

荒咬オウガさんの低くて綺麗な声が好きだということ。

 

好きなところがたくさんあることを、書き連ねることしかできない。

書き連ねることだけならばできるので、私はやっぱりファンレターを書きたい。

 

 

完全な余談だが、スバルちゃんのメンタル力・コミュ力・企画力はロベルさんと相性良さそうだから、二人で関西弁混じりにおしゃべりしてほしいという気持ちがある。